編集部だより
1999.9.30 ITRON部会 門田 浩
今年で3回目になるITRON International Meetingが29日、ESC会場そばのホテルで開催された。例によってITRON部会長の田丸さんのイントロ、高田先生の活動紹介に続き、協賛のOpenGroupの講演、特別講演2件、ベンダーから5件の発表があった。
EETimesの特別講演は約870人のreaderからよせられたアンケート結果の発表。回収率18%とのこと。昨年から今年にかけてモトローラのCPUが伸びているという結果は日本のマーケットとはやや異なる感覚で聞いた。
RTOSやtoolの状況は似たり寄ったりで、ITRONが見えない代わりに、InHouseが大きなportionを占めていた。1システムで使うCPU数が複数使いになるトレンドが出ており、汎用CPU+DSP?の組み合わせや、32ビット+16/8ビットの同時使用における開発、デバッグなどが大きな課題になりそうだ。
トヨタの佐藤さんによる発表はITRONオープンセミナーの資料がベース。実例は、やはり迫力がある。願わくば、インパクトの大きさを実感するためには、米国マーケットとの関連を意識した資料が欲しかった。
各社の発表はいつものように製品紹介である。USSWが着実にITRON製品をのばしつつあること、ATIが積極的に参入する意思を明らかにしたこと、は朗報である。CounterPoint社は今後伸びるBluetooth関連の発表があった。日本からはElmic、Accessの2社(Aplixは都合により中止)、それぞれ発表はそれなりに手慣れた様子であった。
参加者は約80名、6割は日本人、というパタンは変わっていない。これまでは、いかにしてUSAのベンダにITRONを知ってもらうかが大きな目的であった。しかし、会場内外の反応や実際のベンダーの反応から、今後は米国でもITRON活動を通じ、いかにしてビジネスに結びつけるかを考えねばならない。USAにおける活動の足がかりとしてのITRON国際ミーティングはそろそろ方向転換せねばならない。
なお、発表資料はOHPのみで、皆さんにお見せできるかどうか現在のところ不明。EETimesは手渡し不可の条件での講演であった。
今回の特色は、上記のフォーマルなmeetingではなく、夕方に開かれたinformalなdinner-meetingにあったようだ。今回は例年と異なり、バッフェ形式(きっとformalなdinnerの予算がなかった)で参加者は自由にテーブル間を移動できた。
まず高田先生がUS-Chapter(支部)構想を披露、CygnusのTieman、HPのWenyFong、MetrowerksのJohnがそれぞれ談話を、次に飛び込みのReedのお二人が思いっきりESECの宣伝を、最後にAplix八谷さんが中止となった発表のリカバリをおこなった。
WendyはJTRON2.0の英文仕様書に感謝の意を表してくれた。J-Consortium活動の技術検討に大いに役立ったとのことである。
米国では、カーネルは別として、これからのものとしてJTRON、現在のものとしてTCP/IPへの関心が高い。μITRON40仕様書も英文仕様書はまだかとの催促が目立った。
その後、興味ある話題を中心にそれぞれが個々にグループに別れ、自由な意見交換を行えた。こうなるとITRONの話題とは直接は関係なくなるかもしれないが、ITRONをきっかけとしてビジネスや共同研究などの種が蒔かれたようである。