編集部だより


「組込みLinuxコンソーシアム記者発表」
会長 中島達夫氏7月13日、折からのESEC会期中に、組込みLinuxコンソーシアム発足の正式発表が 行われた。7月10日の日経新聞朝刊一面に「基本OS共同開発」的な衝撃的記事が掲載された後、その実態が注目された。

発表記者記会見は、一般の関心も高く、記者を含め40名ほどの出席があった。フジTVとNHK-TVのカメラがあり、NHKでは同日夕刻6時のニュースで報道されたようだ。

さて、団体の構成を拝見すると、RT-Machで技術的にも裏打ちされた中島早稲田大学助教授を会長に据えたのは好感がもてる。一方、副会長はディストリビュータ、開発ツール、そしてユーザ(予定)から、また位置付けが若干不明ではあるが業界と学会からのアドバイザリ、と形の上ではそれなりに準備されているようだ。

少し気になるところを述べれば、Linuxそのものの専門家の名前が見えないことである。

次に実際の活動であるが

・ Home Pageによる各種活動(活動内容の告知、FAQ、情報開示、他)
・ 各種Working groupによるEmbedded Linux周辺技術の標準化
・ Embedded Linux普及、浸透のための各種セミナー、展示会活動
・ 米国Embedded Linux Consortium等、国内外のコンソーシアムとの連携、情報交換

と大目標だけが決まっており、具体的にはこれからとの印象を受けた。
実際、9月末のESC(SanJose)までに米国団体との連携、11月のMST2000までに各種WG活動の詳細を決め発表するとのスケジュールは若干の物足りなさを受けるが実情からすれば納得できよう。

副会長 John Cheuck氏周辺機能のAPI策定など技術的な活動は当然期待されるものとし、さらに、GPLなど権利法的関係、実ビジネスで必須な事項への対応なども活動のスコープに入れてほしいものである。ここには先行する他の団体との連携が欠かせまい。

マイクロソフトとの軋轢は生じないかどうか、との質問に、「関係はない」との趣旨の応えがあったが、逆は真ならずであろう。ユーザには選択肢が増えたわけではあるが、MSにとってみれば新たな脅威?が増えたことには変わりが無い。

サーバー市場で実績があるLinuxが、専用機器としての組込み機器でも実績を築くことは容易に想像できる。アドバイザリのメンバーは一部を除けばITRONの推進メンバーであり、ここでITRONとLinuxの棲み分けが注目される。

参事 田丸 喜一郎氏カーネルのみのITRON、カーネル、TCP/IP、ファイルシステム等がセットのLinux、と製品連続性に無理が無い。
また、ITRONは正式にはOpenSpecであるが、実質的にSourceもOpen化しつつあり、両者ともOpneSourceとしての共通性が高い。既にITRONとWindowsCEのハイブリッド製品が出荷されているが、同様の製品がLinuxで実現されても不思議は無い。

Linuxは世界の共通財産である。本コンソーシアムがConsumerやインターネット端末を中心とする日本発の要求を明らかにし、この財産にさらに磨きをかけることを期待する。

日本エンベデッドリナックスコンソーシアム(Emblix)



2000年7月21日 EIS編集部