|
このニューヨーク通信を始めた当初は、毎週毎週書く題材を見つけるのは、大変 だろうなあ、と思っていました。しかしながら、初めてみて思うのは、書く題材
見つけるよりも、なにを書くか絞り込む方が大変だ、ということです。それくら い、毎週書きたいことがあります。それだけいろんなことを考える機会に恵まれているということでしょうか。ありがたいことです。
しかし、書く題材には困らないものの、掲載する写真には困ることがあります。 やはり皆さんに見ていただく為には、おもしろくインパクトのある写真を撮りたい。
もちろん、写真に関しては素人で(いや文章も素人ですが・・・)、いつも 試行錯誤の連続です。できるだけ、雰囲気のわかる写真が撮りたい。文章を
引き立てるような写真を撮りたい。なおかつ、写真を趣味にしている人や、半ばプロにまで送ってしまっていますから、ちょっとは「ほほぅ」と思って欲しい。
欲を言い出せばキリがないですね。でも、そういったこだわりをもとに毎週書いて います。ですから、順番としては、おもしろそうな写真が撮れたら、その写真を軸に文章を書くことになります。
今週は、イエローキャブの写真を撮ってみたくなりました。少し日が傾きかけた頃に、マンハッタンのアッパー・イーストを歩いていると、ふとイエロー・キャブ
の黄色が目に飛び込んできたのです。イエロー・キャブはマンハッタンではとても 身近な存在です。全部を書こうとすると、フォト通信10回分くらいになるかも
しれません(^^;)。それくらい、ニューヨークを良くも悪くも代表しているし、 旅人の印象にも残るのかもしれませんね。
このフォト通信は66歳になる我が母も読んでいるので少し「イエロー・キャブ」 を解説しますと、これはニューヨーク市のタクシーで、車体を黄色に塗っているので、通称イエローキャブと呼ばれます。ふつうの人は、JFK空港に到着してからすぐに、このタクシーのお世話になります。空港のターミナルには専用の
待合い場所があるのですが、ここにはずらっと黄色い車体が並んでいます。JFKからマンハッタンまで30ドル+チップ(たいていの場合はそれに加えて、
ミッドタウントンネルの通行料3ドル50セント)でつれて行ってくれます。 もちろん、マンハッタンの町中でもよく見かけます。
人種のるつぼ、ニューヨークですから、運転手もいろんな人種がいます。昔は ヒスパニック(メキシコや中南米出身のラテン系民族。最近は「ラティーノ」と
呼ぶのが流行っている)が多かったようですが、最近はインド人、パキスタンや サウジアラビアなどの中東地域の人々が増えてきています。どういうわけか、
アジア系の人は少なく、あとは黒人(こちらでは、アフリカン・アメリカンなどと 呼びます)が少しです。ロシア・東欧系もいるようですが、私などではなかなが
外見から判断できません。北欧出身や、アメリカ人などもたまに出くわしますが 数は少ないでしょう。 こんな風に、運転手の人種構成から見ても、イエロー・キャブは移民の労働の
受け皿ということがわかります。
運転手になるには、もちろん運転免許(第二種) が必要ですが、それ以外に簡単な英語のテストとマンハッタンの地理のテストに 合格しなければいけません。逆に言うと、それだけクリアすれば働けるということ
になります。英語のテストは本当に簡単なレベルのようですから、ほとんど英語の しゃべれない移民の格好の就職先となるようです。
そういえば、関西出身の私は、就職して東京に上京してからタクシーの運転手の 「愛想の無さ」にびっくりしたものですが、イエローキャブはその上を行ってい
ます。まずだいたい、行き先を告げても、ほとんどの確率で返事をしません。 だいたい、5人に一人、返事をしたらいい方だと思います。もちろん、復唱なん
てありませんから(名誉のために、いままで3年間で5人くらいには復唱して もらいました。しかし、乗車頻度は日本よりかなり多いので、比率にしたら
20分の一くらいか?)、相手が本当に行き先を理解しているのか、常にチェック が必要です。
最初に正しい方向に行き始めたので、「ああ、大丈夫かな」と思って いたら、途中でとんでも無い方向に行き始め、「違う違う!」と訂正すると、
「なんだ、ちゃんと言ってくれよ。時間と金を損したじゃないか!」なんて こっちが怒られたりします。ちなみに、今まで3回くらいこういった目にあい
ました。もちろん、原因は返事も復唱もしなかった運転手にあることは間違い ありません。しかし、自分のミスも人のせいにするところがこの国の人のタフなところです。おかげでこっちは相当腹が立ちます。
信号で、前の車のスタートが1秒でも遅れたらクラクションを鳴らすくせに、 自分は邪魔になる様な運転を平気でしたり、客がいればたとえ5車線の一番
右の車線にいても、他の車の頭を押さえてまっすぐ一番左の車線まで突入したり。
こんな、運転マナーは最悪なイエローキャブですが、それでもニューヨークで親しまれているのは、やはり料金が手軽だからでしょう。初乗りは2ドル、
最初の1/3マイル(約540m)を越えると、1/5マイル(約320m) ごとに30セント。マンハッタン内ならほとんど5ドルくらいで、多いとき
でも10ドルちょっとで済んでしまいます。最近の景気の良さも相まって、平日の夜7時頃などは、空車を見つけるのに大変苦労するほどです。
まだまだ、イエローキャブのことを書こうと思うといくらでもかけるのですが、 今回の文章もずいぶん長くなってしまいました。今日はこのへんにしたいと
思います。
ということで、今回の写真は、疾走するイエローキャブです。
|