>>>>週刊ニューヨークフォト通信(8) <ジュリアーニ>
 
 
   ここのところすっかり暖かくなってきました。皆様いかがお過ごしですか?
 ニューヨークは一時期の極寒の季節はどこへやら、街路樹も芽吹き始めてすっかり春めいてまいりました。そういえば日本はお花見の季節ですね。
  日本にいた頃はよくお花見をしたものです。今の夜はまだすこし肌寒いで しょうが、夜桜を見ながらのお酒は格別ですね。
 
 

  ニューヨークはここのところの陽気のせいか、それとも景気がいいためか、街の雰囲気が非常に明るいです。一時はニューヨークというと、危険、汚いといったイメージがあったようですが、s1993年に市長が現在のルドルフ・ジュリアーニになって以降は、見違えるように安全な都市になったと言われています。好景気という追い風が吹いたこともありますが、彼の市長としての手腕がこういった評判を作り上げたといってもいいでしょう。市の資料によると、彼が市長になってからニューヨークの犯罪は50パーセント減り、殺人事件は70パーセント減ったということです。

  また経済に関しても、雇用創出の為に、マンハッタンに通信バックボーン(インターネットなどの情報通信の『基幹』をつかさどるような情報量の多い通信回線・設備)を通し、ハイテク関連企業を誘致して今や西のシリコンバレーと並ぶ「シリコン・アレー(横町)」と呼ばれる地域を作り上げました。煉瓦づくりの築100年くらいの歴史あるビルの中に、停電にそなえた自家発電設備まで備え付けられ、インターネット関連の「ドット・コム」企業が入居している風景は、ニューヨークならではのものでしょう。

  彼は、思ったことをすぐ口にしてしまうような政治家で、そういった意味では現在の東京の知事に似ていなくもないのですが、昨年はニューヨーク名物の「ベンダー」(街角でホットドックなどを売っている屋台のこと)を禁止するとか、同じく「Jウオーク」(これもニューヨーク名物の、歩行者の信号無視)を取り締まって罰金を取ると言い出したりと、ニューヨーカーの不評を買いました。特に、彼は検察の出身なので、何かというと「取り締まり」を始めます。彼のおかげで警察官が多く配備され、街は安全になったのですが、その反面、「ポリス・ブルータリティ」といって、警察官の残忍な行動による事件が問題を引き起こしつつあります。そのなかには人種差別問題の見え隠れする事件も多く、論争の的になっています。

  昨年の2月に、「警察によるアマドゥ・ディアロ射殺事件」という悲しい事件が起こりました。これは、当時22歳の、犯罪歴もない、ごく普通の西アフリカ・ギニア出身の黒人が、捜索中だった他のレイプ犯に間違えられ、彼がアパートから出てきたところを4人の警官が41発も発砲、そのうち19発が命中し即死したという事件です。彼は、発砲される前に、ポケットに手を入れ財布を取り出そうとしたのですが、警官にはそれが銃を取り出す仕草に見えた、ということで、この3月には発砲した4人の警官に無罪の判決が出ました。4人の警官がすべて白人だったこと、判決を下した陪審員に黒人男性が一人もいなかったことなどから、この問題は黒人コミュニティによる抗議行動に繋がりそうな勢いです。このほかにもブロンクスなど犯罪多発地帯では住民の行動に対する警官の過剰反応が多いようです。確かに、ニューヨークは観光客や駐在員、その他お金持ちには安全で住み易いところになっているのですが、ジュリアーニ市長の「力による秩序の維持」によって、このような歪みも起こっている事実があります。

  ということで、ニューヨークにおけるジュリアーニ市長の評判に関しては、賛否両論というところなのですが、彼の功績は認めながらも「嫌い」と言う人が多いような気がします。先日も、とあるミュージシャンのライブを聴きに、小さなクラブに出かけたのですが、そこに併設してあったバーで面白いステッカーを見つけました。小さなステッカーなのですが、こんなことが書いてあります。

GIULIANI is a JERK. He doesn't tip
(ジュリアーニはくそったれだ。チップをくれないんだ。)

「He doesn't tip」の部分が手書きなのが面白かったです。ということで、今日の写真はそのステッカーです。




 
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